静悟の文学的空間

小説、読書感想、宮座賢治などについてのブログ

桜舞い散る今日この頃

ひらりと桜の花びらが窓から舞い込んできた。どこから来たのだろうと不思議に思った。近所には桜が咲いているところなんてないのに。寝転がっていた床からむくりと起き上がり、水を飲んだ。今日は何日だっけな?そうだ、今日から四月だった。寝てばかりいた…

ブルースター

英文法の参考書を傍らに置いて、少し休憩することにした。時計を見ると、丁度一時間くらい勉強していたことになる。国語に比べて英語はどうにも苦手だった。まだまだ長文読解で躓いてしまうことが多い。コポコポと電気ケトルから紅茶を煎れて、誰もいないリ…

とある読書家の話

人間よりも本が好きだ。その事に僕が気がついたのは23の時だった。思い返してみれば、今までどんな人間にも共感を感じたことがなかった。それは僕が特別なんだろうと思っていた。だけど、もしかしたら僕は人の姿をした人でない何かなのかもしれない。とに…

日記兼読書感想 2021/07/07

こんばんわ、静悟です。今日は予定通り、雨の中図書館へ行ってきました。図書館空いてました。やっぱり雨の日は皆外出したくないのでしょうか。しかし帰りのバスは滅茶苦茶混んでいて、こんなに混んでたのは初めてじゃないかってくらい混んでました。 今日借…

ライトメモリー3

誰かに感動を届ける。生きる心支えとなるような作品を創る。あのカフェでボーカルのお姉さんの話を聞いてからそういう目標ができた。だけど僕に何ができるだろうか? 偶々立ち寄った本屋で詩集のコーナーが目についた。パラパラとめくってみる。中には素敵だ…

日記 圖書館の開いていない日

こんばんわ、静悟です。 今日は圖書館が閉館だったので、あまり外出はできなくて、そのせいかあまり調子が良くない感じです。 朝起きて、朝食を作っていました。今日はヨーグルトに加えて卵焼きを作って食べました。Youtubeで寝ている間に補給できなかったタ…

ライトメモリー2

僕の日常 ライブ 僕の日常 僕の毎日は仕事としての他者へのヒーリング、後、自らの体へのセルフヒーリングと、それから記憶を取り戻すことに没頭する事、この3点を中心に今のところ回っていた。この生活にそれなりに満足している。今日もヒーリングを全て済…

ライトメモリー

失われた記憶 親切なお姉さん 御幸さんのヒーリングについて 記憶を取り戻すということについて 失われた記憶 どこだろう、僕の居場所は。なぜ僕はここに存在しているのだろうか?思い出せないくらい遠い記憶が僕の中には確かにある。 縄文人古代人であった…

散歩道 イチョウと水面の光と紅葉

バス停がイチョウ並木になっていた 目が覚める思いがする その鮮やかな黄色に キラキラと陽を浴びて光るものに どうしてこんなに惹かれるのだろうか 光とは不思議だ 橋の上から水面を眺めると 滝の辺りがキラキラと眩しい程光っている 思わず目を細め目を伸…

日記 雨だから家で本を読む1日

こんばんわ、静悟です。今日は一日天気が悪く、家で本を読んでました。昨日届いたエンデのモモとホリスター・ランドさんの、知りたいけど、聞くのが怖かった「死後」に関する62のこと、という本の続きです。 まず朝目覚めて食料が無かったので買い物に行き…

森の住人1話 童心に帰る

深い瞑想を終えて、僕はゆっくりと体を起こした。テントから出ると朝日がまぶしい。まだ早朝だから皆寝ているのだろう。キャンプ場の早朝を独り占め出来た気がして嬉しかった。最近は体調が良い。体操を終えて顔を洗う頃にはもう完全に目が覚めていた。実に…

日記と読書感想 自転車で図書館に行った日

ブログで初めて日記を書いてみました。読んでいただけると幸いです。 圖書館に行った 借りてきた本 最近の悩み 日記を書いてみた感想 圖書館に行った 久しぶりに天気だったので、図書館に自転車でいってきました。15分くらい。いい運動でした。近所のこの…

僕らの旅路16 新たなる旅路

半年が経った。この間、僕と綾と愛衣先生の日常は大抵変わりなかった。僕はブログで詩を書いたり、図書館や公園で本を読んだり、綾と愛衣先生は勉強を教わったり、公園でバトミントンをしたりしていた。次第に綾の心は回復の兆しを見せていったように思う。…

黒猫物語2 図書館という選択肢

翌日僕は図書館にいた。星の王子さまの原文版と何冊か小説を借りた。そして昼間はずっと図書館のソファに座って読んでいた。12時頃お腹が空いたので近くの弁当屋で昼食を買って、中庭で食べていると、鳩が弁当を狙って足元をうろつき出した。さすがにここ…

黒猫物語

月灯の下でドイツ語の勉強をしていると、ふと気になって窓の外をい見た。12月の寒気が広がる夜の暗闇は静かで、人気がない。何となく散歩でも行くかという気になった。寒さに思わずジャケットで包んだ身体を抱きしめた。どこへ行くかな。真珠庵公園でも行…

人であること

植物園をぐるっと回って僕はお気に入りのベンチで本を読む こんな毎日が続けばいいと のんびりと風を肌で感じながらしみじみと思うのだった ふと動かない植物になりたいと願っていた頃の事を思い出す けれど今は人間であることを少しは肯定的に思えるように…

孤人物語 完

紫と青を混ぜて描いていた。絵を書けば何かが変わるのではないかと思った。鴨川と大文字山の森を描いていた。何十枚も描いて、何となく創作を中断し、料理を作ることにした。豆腐と魚の味噌汁をさっと簡単に作って、じいちゃんのいなくなった座卓で食してい…

孤人物語 

山をひたすら登っていた。透き通る水面を眺めながら立ち止まっていた。山中他界。湧き水が飲める場所があった。自販機のペットボトルの水とは全然口当たりが違う。ほんの少しだけ煮詰まった脳が軽くなった気がした。 体力の限界は遥かに超えていた。頂上まで…

孤人物語 僕という人間

天涯孤独 いつものように自室のゆったりとしたソファに深く沈み込んで何時間も集中して本を読んでいると、目の前の山積みの書物から一冊がドサッとこぼれ落ちた。何が落ちたのかなと思って見てみると、漱石のこころだった。こころは漱石の中で一番気に入って…

穏やかな陽

暖かな陽だまりの中彼方さんは陽気に散歩に出かけた。アパートの裏に広がる森を抜けてゆく。陽の光の暖かさを感じながら、昨日ネットで見た葉についての知識を光を反射する葉達を仔細に観察してみた。つぼみと芽と木々の葉の生え方、葉の形について。やはり…

僕らの旅路15 絵本を読んで

せっかく出会えた良き先生と直ぐに別れさせるような事はしたくなかったので、いずれ旅立にせよ、しばらくはこの地に逗まる事に決めた。近頃、以前にも増すペースで愛衣先生はは綾の下へ授業にやってきてくれている。今日も夕方から愛衣先生は僕らのマンショ…

僕らの旅路14 綾と空のこの土地での毎日

悪夢 ハッと目を覚ますと夜中だった。昔の夢を見てしまった。あの忌まわしき実家にいた頃の夢。私を殴る母親とそれを眺めている義理の父親。こんな夢を見たのは久しぶりだ。怖くなって、辺りを伺うと、いつも通り変わらないマンションの自分の部屋だった。 …

インディゴチャイルド12 お姉さんがやってきた

僕の家にご招待 「へえ~。ここが和君のお家か」 「うん。どうぞ、入ってよ」 離れていたのは少しの間だったはずだけど、何だか一年くらい離れていたように感じた。いざ、家の中に入るとお姉さんは興味ぶかそうに家の中を見回していた。ガチャッとドアを開け…

インディゴチャイルド11 お姉さんの新しい家へ

お姉さんとの再会 山を降りて、IPHONEのマップアプリを片手にお姉さんのマンションへと向かった。住所によると、どうやらお姉さんのマンションは、山から電車で一時間程の所にあるらしい。この距離なら僕が住んでいたあの家からもそう離れていない。お姉さん…

インディゴチャイルド10 お姉さんの声

下山して部屋に戻って考えていた。あの時山頂で聞こえた声は間違いなくお姉さんの声だった。もう何年も会ってなくても聞き間違えることはない。今どうしているだろう?猛烈に今お姉さんがどうしているか気になった。 あれから何年もそれこそ僕が大きくなるま…

インディゴチャイルド9 僕を救い出してくれた魔法使いの女の子の話

父親による虐待 昔の夢を見た。父親に頬を殴られて公園でひとしきり泣き叫んだ後の事だった。 家に帰りたくない。だけど外も寒い。その頃の僕は9歳くらいだっただろうか。歩いて行ける川まで行って溺れて死んでしまおうかと考えていた時だった。 「どうした…

インディゴチャイルド8 山頂での出会い

植物園 セコイア並木をくぐりぬけた所にある高知の植物園に僕はやってきていた。鮮やかな花々達に癒やされ、樹木達が発する静かな空気に落ち着き、疲れた心と身体を休めることができた。今日のところはここでゆっくりと休んで宿へ帰るとしよう。 四国にはお…

インディゴチャイルド7 自分を探す旅

鑑定を受けてから大体一ヶ月が過ぎた。この間、僕は図書館に足繁く通ってはいろんな知識を吸収することに専念していた。主に文学、仏教、自然科学の分野の本を読み漁っていた。勿論、旅先の情報収集も怠らなかった。気分転換に朝夕の散歩も日課として行って…

インディゴチャイルド6 麗先生の鑑定

紫苑鑑定所は家から30分程の距離にある街中の一角にあった。到着する前、タクシーに乗っている間も頭の中は鑑定師に相談したいことで一杯だった。20分の間に何を優先して視てもらうべきか考えたのだが、やっぱり僕は過去の前世の事より未来の事を知りたいと…

インディゴチャイルド5 霊視鑑定を受けることについて

そして、僕は図書館に来ていた。何となく、四国とかいいかもしれないなと思う。暖かそうだし、自然も豊かだ。 図書館の旅行系のコーナーで立ち読みしながら四国の美味しそうなうどんの写真を見て、今日は暖かい物を食べたいなと夕飯のメニューを考えていた。…