静悟の文学的空間

小説、読書感想、宮座賢治などについてのブログ

インディゴチャイルド4 不思議な夢と旅の再開

家に帰って考える 結局あの後お腹いっぱいまで会場の料理を楽しんで、ちょっとしたピアノ演奏や、講演なども開催されていたらしいのだが、僕としては予想外の女性達との出会いで満足してしまったので、9時になる前にタクシーに乗って早々に帰ってきた。お風…

インディゴチャイルド4 不思議な夢と旅の再開

家に帰って考える 結局あの後お腹いっぱいまで会場の料理を楽しんで、ちょっとしたピアノ演奏や、講演なども開催されていたらしいのだが、僕としては予想外の女性達との出会いで満足してしまったので、9時になる前にタクシーに乗って早々に帰ってきた。お風…

植物園に行って思ったこと

植物園に行くととても落ち着く まるで第二の家のようだ そこで僕は必ずと行っていいほど賢治の詩を思い出します 生徒諸君に寄せるの詩人へのエールのような言葉の羅列を思い出す 光から雲から受け取る透明なエネルギーとはどんなものか 是非僕も味わってみた…

透子物語

神の視点 雲がどこまでも一面に広がっている。ここは霊界。とある神の住まう場所であった。まだ新米の神である霊人はその一面に広がる雲に寝転がっていた。そんな時、何故かふと下界の様子が気になったので、遥か下の方に広がる世界を手元の水晶で覗いてみた…

インディゴチャイルド3 不思議な夜

魚を捌く、そしてこれからのこと 小さな魚だったので簡単なさばき方、内臓を取り出してフライパンで両面を焼くだけの本当にごく簡単な調理だったけど、ただ塩で味付けするだけでも不思議なほど満足感を得れたのだった。やはり自給自足という生き方が僕には合…

僕らの旅路13 僕らの関係

初授業 「じゃ、ここ訳してみて?」 「知識があった方がありとあらゆる場面で役に立つ。だから学生は寸暇を惜しんで勉強すべきなのだ」 「うん。正解」 今日も愛衣先生に英語を教えてもらっていた。 「ちょっと休憩しようか」 「うん」 私はリビングへ行って…

僕らの旅路12 如月愛衣の辿った道

図書館での日々 学校に行かなくなり、図書館で過ごすようになってから大体3年程が過ぎた。気がつくと私も中学生に上がるくらいの年になっていた。年齢で言うと14歳くらい。 その頃に一人の先生と出会った。今の私があるのは間違いなく先生のおかげで、人…

僕らの旅路11 如月愛衣という女性

如月先生の初授業 窓から差し込んでくる日光と共に目が覚めた。リビングへ行くとまだ綾は起きてなかった。歯を磨き、顔を洗って、リビングのカーテンを開けると暖かい陽の光が入ってきた。今日はいい天気だから公園に行きたいな。 綾が目覚めるまでソファに…

僕らの旅路10 家庭教師との出会い

詩を書くようになって一週間が過ぎた。この間、僕は綾に褒められてその気になり、時々ブログに詩を上げ続けていた。綾が遊んでいる様子をUPした記事なんかに比べたら全然大した反響はなかったけど、それでも少ないながら見てくれる人はいた。僕はそれで満足…

僕らの旅路9 落ち着いた日々

この地に腰を落ち着けてはや一ヶ月。この間僕らは平日の昼間を狙って水族館や植物園で過ごしたり、図書館で本を読んだりしていた。僕らは二人ともこの生活スタイルが気に入って、しばらくそんな風に日々を過ごしていた。 (いっその事しばらくこのままでもい…

僕らの旅路8 綾の幸せとは

そして僕らは旅に出た。新しいまだ見ぬ自分たちに出会う旅へと。 最初は旅館に泊まった。一泊して翌日にまた出発するということを繰り返して気がつけば結構北の方まで来ていた。地元に比べると平均気温に結構差がある。これ以上進むとこれからの季節寒いかも…

僕らの旅路7 旅

暑い日が続いた。だけどそんな夏も日一日と過ぎて行き気がつくと9月が迫ってこようとしていた。そう。夏が終わる。綾も夏休みが終わって新学期が始まる。結局まだ綾と僕は一緒に過ごしているが、9月が来たら綾はどうするのだろうか? 「ねぇ、綾学校が始まっ…

僕らの旅路6 

僕のところへ綾がやってきてから2週間程経った。その間一緒に公園で遊んだり図書館で本を読んだり家で共に料理を作ったりもした。結構充実した日々だったけれど、一つ問題があった。それは金銭的な問題。綾の分の生活費を僕自身の稼ぎで賄うことが難しくな…

僕らの旅路5 綾の涙

帰りの電車の中で綾は疲れて眠ってしまった。隣の僕にもたれながら。その腕にはイルカのぬいぐるみがしっかりと抱かれている。水族館を見終わった後お土産屋さんで買ったのだ。本当に12歳の子供らしくて微笑ましい。 結局駅に着いても綾は眠そうだったのでお…

僕らの旅路4 水族館へ

当日の朝 「シャッ」とカーテンの開く音がした。2日目なのでさすがに誰が開けたのかはすぐに気がつく。案外綾は早起きらしい。僕はまだ眠いのでしばらく布団の中で微睡んでいた。しかし、昨日の約束を楽しみにしている綾は僕を起き上がらせるべく布団を引き…

イマジナリーフレンドバトラー

僕がバトラーと出会ったのは両親に森に捨てられた時だった。僕は少々人より霊感が強いらしく時々家の中や外出先でも霊の気配を感じ、幼かったために不用意に両親や周囲の人間にそれを知らせてしまうことがあった。そのためか両親は僕を疎ましく思うようにな…

僕らの旅路3 二人暮らし

「いただきます」 そして、僕等は昼食を摂っていた。今日のお昼ごはんは冷やしうどん。リュック一杯に荷物を詰めて帰ってきた綾を迎えてササッと作った。僕としてはいつも通り何の感慨もなく食べていたけど、綾はとても美味しそうに食べてくれていた。 「そ…

僕らの旅路3 二人暮らし

「いただきます」 そして、僕等は昼食を摂っていた。今日のお昼ごはんは冷やしうどん。リュック一杯に荷物を詰めて帰ってきた綾を迎えてササッと作った。僕としてはいつも通り何の感慨もなく食べていたけど、綾はとても美味しそうに食べてくれていた。 「そ…

スピリチュアリティワールド3 それからの僕ら

宣伝活動 僕は最初こんな素晴らしい曲をネットなんかに上げたら大変な騒ぎになって困ってしまうのではないかと心配していたが、杞憂だったようだ。数日経ったけど反応は微々たるものだった。「そりゃそうよ。全く無名の作者が上げたものがいきなり大ヒットと…

スピリチュアリティワールド2 目覚め

明依の目覚め 「う、ん・・・」少女が目を覚ますまで静かに本を読んで過ごしていたがようやく意識を取り戻したようだ。僕は読んでいた本を閉じて彼女が自然に目を覚まして起き上がってくれるのを待っていた。「あれ、ここどこ?」ぼんやりとした表情でそう呟…

スピリチュアリティワールルド1 始まりの朝

それはそろそろ夜が明けようとしている頃の事だった。誰もいないはずのマンションの部屋で誰かの声が頭の中に響いた。(痛い、苦しい。誰か助けて!)「何だ?誰だ?何処から聞こえてくる?」 辺りを見回してみるが、部屋の中はいつもと変わらない殺風景なワ…

生存理由

青い光に包まれ 行く当てすらさっぱりわからないのだ 僕は確かに生きている 息をしている 空気を吸っている いつか見た緑色の光を至上と思いながら 僕は素敵な光景、美しい光景を胸に抱き それらの思い出を心支えにして 今日も昨日よりもっと素敵になると良…

インディゴチャイルド2 転換期

新地への希望 やはり美しい自然のあるところがいい。それでいて人の気配があまりなければ尚良いと各地の情報を調べてみて気づいたのは、なんとなく国立公園とか信州の辺りがいいのではないかということだった。国立公園は自然豊かだし割と田舎の方にもあるか…

インディゴチャイルド

とある公園での目覚め 目覚めるとすぐそこに大木が存在していた。 (大きいな。樹齢何年なんだろう?) てっぺんが見えない程とても高くて分厚い幹の立派な樹だった。幹の部分に手を当てて彼の鼓動を探ってみる。とても深い叡智がこの樹には刻まれている気が…

僕らの旅路2 朝

二人の朝 カーテンが開けられる音が聞こえた気がした。早朝は肌寒さを感じさせ、蒲団に包まる至福から抜け出せずにいた。だけど一人暮らしの部屋でゴソゴソと自分以外の足音が聞こえるのを不審に思って少し寝足りない体を無理に起こして部屋の様子を見回して…

僕らの旅路1話 出会い

家出少女との出会い その時はさっぱり分からなかった。彼女の言った言葉の意味が。彼女はこう言ったのだ。「私と共に世界を見よう」と。 その夜は満月だった。日本文学全集から三島由紀夫の巻を本棚から取り出して2時間ほど読みふけっていた。窓の外では周…

迷える子羊

悩み悩んだけど結局生きることを選んだよ 自身の力でこの苦境から抜け出そうと思ったけど 結局僕一人ではやれそうにない 人は助け合って生きていると ここはそんな世界だと信じたい 結局僕を助けてくれる人はいないのだろうか そんなことはないと思いたい 誰…

気がつくと天界にいた

そこは僕らが作った楽園だった僕と植物と天使と僅かな猫や他の動物たちによって構成されている楽園。 白いベッドで目が覚めた。その姿勢のまましばらく、ぼんやりとして、体と心が覚醒してくるのを待った。 この場所に来てからもう一ヶ月か。随分と色んなも…

明日を想いながら

川にいた 遠くの山も見た 青い空もみた 今日も楽しかったと思えるようになれたのは あそこで踏みとどまったおかげなんだ 今日よりマシな自分になっているであろう 明日の自分を思いながら 明日を楽しみに思いながら 眠りにつく夜に おやすみと独り言のように…

人であること

植物園をぐるっと回って僕はお気に入りのベンチで本を読む こんな毎日が続けばいいと のんびりと風を肌で感じながらしみじみと思うのだった ふと動かない植物になりたいと願っていた頃の事を思い出す けれど今は人間であることを少しは肯定的に思えるように…