静悟の文学的空間

小説、読書感想、宮座賢治などについてのブログ

2021-06-26から1日間の記事一覧

スピリチュアリティワールド2 目覚め

明依の目覚め 「う、ん・・・」少女が目を覚ますまで静かに本を読んで過ごしていたがようやく意識を取り戻したようだ。僕は読んでいた本を閉じて彼女が自然に目を覚まして起き上がってくれるのを待っていた。「あれ、ここどこ?」ぼんやりとした表情でそう呟…

スピリチュアリティワールルド1 始まりの朝

それはそろそろ夜が明けようとしている頃の事だった。誰もいないはずのマンションの部屋で誰かの声が頭の中に響いた。(痛い、苦しい。誰か助けて!)「何だ?誰だ?何処から聞こえてくる?」 辺りを見回してみるが、部屋の中はいつもと変わらない殺風景なワ…

生存理由

青い光に包まれ 行く当てすらさっぱりわからないのだ 僕は確かに生きている 息をしている 空気を吸っている いつか見た緑色の光を至上と思いながら 僕は素敵な光景、美しい光景を胸に抱き それらの思い出を心支えにして 今日も昨日よりもっと素敵になると良…

インディゴチャイルド2 転換期

新地への希望 やはり美しい自然のあるところがいい。それでいて人の気配があまりなければ尚良いと各地の情報を調べてみて気づいたのは、なんとなく国立公園とか信州の辺りがいいのではないかということだった。国立公園は自然豊かだし割と田舎の方にもあるか…

インディゴチャイルド

とある公園での目覚め 目覚めるとすぐそこに大木が存在していた。 (大きいな。樹齢何年なんだろう?) てっぺんが見えない程とても高くて分厚い幹の立派な樹だった。幹の部分に手を当てて彼の鼓動を探ってみる。とても深い叡智がこの樹には刻まれている気が…

僕らの旅路2 朝

二人の朝 カーテンが開けられる音が聞こえた気がした。早朝は肌寒さを感じさせ、蒲団に包まる至福から抜け出せずにいた。だけど一人暮らしの部屋でゴソゴソと自分以外の足音が聞こえるのを不審に思って少し寝足りない体を無理に起こして部屋の様子を見回して…

僕らの旅路1話 出会い

家出少女との出会い その時はさっぱり分からなかった。彼女の言った言葉の意味が。彼女はこう言ったのだ。「私と共に世界を見よう」と。 その夜は満月だった。日本文学全集から三島由紀夫の巻を本棚から取り出して2時間ほど読みふけっていた。窓の外では周…

迷える子羊

悩み悩んだけど結局生きることを選んだよ 自身の力でこの苦境から抜け出そうと思ったけど 結局僕一人ではやれそうにない 人は助け合って生きていると ここはそんな世界だと信じたい 結局僕を助けてくれる人はいないのだろうか そんなことはないと思いたい 誰…

気がつくと天界にいた

そこは僕らが作った楽園だった僕と植物と天使と僅かな猫や他の動物たちによって構成されている楽園。 白いベッドで目が覚めた。その姿勢のまましばらく、ぼんやりとして、体と心が覚醒してくるのを待った。 この場所に来てからもう一ヶ月か。随分と色んなも…